塗料原料探索支援、eコマース構想も
長瀬産業
長瀬産業は塗料・インキ・接着剤・シーリング材などに使用できるさまざまな化学品原料の無料検索サービス「Chemical Search」を展開しており、塗料開発に役立つ情報の拡充に取り組んでいる。サービスの狙いは、例えば「難燃性付与原料の検索回数が増えている」といった利用状況から市場トレンドをキャッチすること。市場動向把握の確度を高めるには国内外に会員を広げて使用回数を増やしていく必要があり、随時アップデートを行って利便性向上に努めている。
「Chemical Search」は2024年10月から開始したサービスで、会員登録すると専用サイトでCASE関連の化学品原料の製品検索が可能となる。現在の仕様では、まず添加剤もしくは樹脂のどちらを対象とするかを選び、更に「サステナ・バイオ・生分解材」関係製品に絞るかを選択する。次いで、メーカーやタイプ(水系/溶剤系など)、用途、機能・特徴などの項目で所望の条件にチェックを入れて検索すると、条件に合致した製品が一覧で表示される仕組みだ。
現状、化学品メーカー約75社の3,800製品がデータベース化されている。会員は約270社から登録があり、塗料関係企業が約3分の1を占める。「今の検索対象は添加剤と樹脂だが、いずれ溶剤と顔料を追加し塗料の主要原料をそろえ更なる満足度向上を図りたい」と、担当者は塗料業界に向けたサービス拡充計画があることを明かす。
会員が検索で見付けた製品についてメーカーとの取引を進める場合に、必ずしも長瀬産業の仲介を挟む必要はない。会員とメーカーとの間に取引があれば従来の商流を活用して構わない。
サービスの狙いについて「市場動向の把握が第一義」と担当者。「どのような材料が多く検索されているか、どのメーカーの製品に関心が集まっているかなどが可視化できるため、ここで得られたニーズの傾向などをビジネスに生かしたいと考えている。そのためには国内外で会員数を増やし、また掲載情報の拡充を継続する必要がある」とし、サービスの質を高めるアップデートに力を入れていることを強調する。
最近の大きな改良点として、近年ニーズが高まりつつある「サステナ・バイオ・生分解材」関連製品及び「海外メーカー製品」の拡充がある。海外メーカーは欧米の大手化学品メーカーのみならず、中国やインドといったアジア市場で頭角を現している新興メーカーの情報を積極的に取り入れた。
「現在、調達の多角化の観点からアジア企業の製品に関心を寄せる日本企業は少なくない。しかし、一般的なネット検索などで情報を集めるには限界がある。当社のビジネスを通じ技術面や事業の安定面で一定の信頼性を確認できている企業の製品を取り上げることはスムーズな情報収集への貢献につながるのでは」と期待を寄せる。
また、今春には英語版サイトを公開し海外会員の増加を加速する計画だ。
近い将来のeコマース機能の実装も構想している。「会員が少量のサンプルから開発を進めようとした際に、それまで取引のない企業同士では製品が手元に届くまでに煩雑なやりとりが必要となり、スピード感が損なわれてしまう可能性がある。そこで、一定の金額や数量以下の場合はサイト内で決済が完了する仕組みを整えれば利便性が大きく向上する。時期は未定だが必ず実現したい」と意気込みを示した。
なお、価格はリクエストに応じて表示されるなどセキュリティ面に配慮した情報の取り扱い方を検討中とのこと。