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2026年春 建築塗料・塗装特集

シンナー不足機に塗装の価値を再定義

時代や社会の変動で変わる塗装の役割

弊紙4月22日号の1面(関連ニュース)にあるように、中東情勢の影響で塗料用シンナーが欠乏し、建築塗装業界はパニックのような事態に陥っている。政府は14日時点で、サプライチェーンの途中で出荷が滞っている箇所を特定し解消の見通しが立ったと発表したが、予断は許さない。この先への警戒で不安定な供給は続くだろうし、急騰した価格も高止まりするのではないか。そんな不安や疑念が晴れない。

それはさておき、今回の事態でふと疑問に思ったことがある。ナフサ不足の影響が、なぜ真っ先に「塗料用シンナー」に集中し、その矛先としてなぜ塗装業界、塗装業者ばかりに集まったのだろうかと。

シンナーを多く使うからといった理由なら、自動車(新車)の製造ラインだって大量に使用するだろうし、塗料用シンナーとグレードが違うとは言え、半導体の製造過程でもナフサ由来の溶剤は大量に使う。しかしそういった産業からは浮足立った声は全く聞こえてこない。

年間使用契約など購買形態の違いもあるだろうが、それにしてもシンナーを使う産業が数多ある中で、なぜ供給制限が塗装業界に集中し、シンナーを「通常通り入手できる」塗装業者がわずか2.7%にまで落ちるほど(1面参照)困窮する事態になったのだろう。

「認識がずれている」と叱られるかもしれないが、「産業として下に見られている」と言えはしまいか。今回のように急激な物不足に陥ったとき、産業間の比較で供給が後回しにされ、しわ寄せが集まってきてしまうような事態だ。建築塗装業界が抱えている根本的な問題が今回の事態で改めて顔を出した。うがった見方だろうか。

建築塗装の価値をいかに高め、それをどのように社会に表出していくか。古くて新しいこの課題を、今回の事態を機に改めて考えてみたい。


まずは、塗装の役割である「保護と美観」の再定義だ。

住宅からビルやインフラに至るまでさまざまな建物や構造物をまもり、暮らしや社会を支えている塗装。素材や形にフレキシブルに対応できるからこそ提供できる塗装の役割は、台風の巨大化や水害の頻発、40℃以上の"酷暑日"が制定されるなど気候変動が激しさを増す中で更に重要性を帯びている。

人口減に伴い、空き家やシャッター商店街が増え、荒涼とした街並みが広がる中で、「色」で地域を元気づけられるのも塗装の十八番だ。この分野はまだ力が発揮されているとは言えず、そういった意味では伸びしろ十分だ。

気候変動や人口減少といった大きな社会変動の中で、「保護と美観」といった塗装に求められる役割が、以前のそれとは大きく変わっている。そのことをまず認識し、自分たちの価値をアップデートしなければならない。

そして、もう1つの大きな社会変動は働く人の減少だ。
ご他聞に漏れず、塗装業界も担い手不足に悩まされている。が、その中を注意深く見てみるとあることに気づく。女性の職人が増え、高齢の職人がまだまだ元気に活躍している姿だ。

他の建設業のような体力を必要とせず、色に関する能力や繊細な作業といった女性の方が得意な仕事も塗装には多い。職人の高齢化の問題もネガティブな文脈で語られることが多いが、熟練の技が通用する世界だからこそ高齢者が活躍できると捉えれば、ポジティブな見方に変わる。

そして、老若男女の多様な働き手がハツラツと活躍している姿を具現化できれば、この時代、間違いなく塗装業界への社会の見方は変わり、後回しにされることもなくなる。時代や社会が大きく変動していることに敏感になり、それに合わせて自分たちの価値や魅力や行動をアップデートする。捉え方を変えれば、まだまだポテンシャルを秘めた業界なのだ。


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