経年住宅の塗り替え需要開拓、新たな鉱脈に
装武(東京)
大手ハウスメーカーからの仕事を、年間に1,500棟以上任されている住宅塗り替え工事のスペシャリスト・装武(本社・東京都足立区、渡邊武社長)。住宅塗装リフォームの市況が厳しくなる中、自社が編み出した革新的な工法で新たな需要づくりに挑む。従来の塗装ではアプローチできなかった築古の住宅のニーズを叶える「SBアート塗装」だ。「サイディングの張り替えやガルバのカバーより格段にリーズナブルで、機能もデザインも刷新できる塗装」(渡邊社長)と説明。市場から置き去りにされた経年住宅の塗装需要を鉱脈に変える。
同社は、大手ハウスメーカー各社の施工パートナーとして、年間1,500棟以上の塗り替え工事を直接受注。42年の社歴を持つ住宅塗り替え施工のスペシャリストだ。
長年この市場に携わっているだけにその感覚は鋭く、「施主層の世代交代などリフォーム市場に構造変化が起こっており、外装の塗り替え需要の減少は避けられない。これまでにない厳しい状況が訪れる」とシビアな見方を示す。
そうした中、自社が進む方向として、「塗装からリフォーム全般に枠を広げる」といった施工の多角化と、「これまで塗装でアプローチできていなかった客層に網を広げ、塗装の未開拓ゾーンの掘り起こしに向かう」との方針を掲げる。
施工の多角化に関しては既に総合リフォームに着手。営業人材の確保、ビルダーへの資本参加など体制を整え、実績が出始めている。
そして、塗装の未開拓ゾーンへのアプローチでフォーカスしたのが、新築から30年前後経過した築古住宅の塗装リフォームだ。「既に数度の塗り替えを終え、あとはサイディングの張り替えかカバー工法しか選択肢がないような経年の住宅。そこに張り替えやカバー工法より圧倒的にリーズナブルで、かつ機能もデザインも刷新できる塗装サービスを提供して新たな需要を開拓。未開のゾーンにアプローチし、塗り替えリフォームの可能性を広げる」との構想だ。
30年前後経った住宅でよく見かけるのが、外壁のサイディング基材自体の劣化だ。経年によるワレや欠け、反り、爆裂などサイディングの張り替えか、それをガルバリウム鋼板などで覆うカバー工法しか対処のしようがないような住宅。
この場合にネックになるのはやはり費用だ。「サイディングの張り替えやガルバのカバー工法だと平米単価で1万円を超えるのが実態。張り替えの場合はそこに廃棄費用が加わり、アスベストが含まれていれば更に処分費用が高騰、相当なコスト負担になる」と説明。築年数の古い住宅にかける金額として二の足を踏み、「置き去りにされている家も多い」と指摘する。
それに対して、張り替えやカバー工法の半額の平米当たり6,000円で劣化したサイディングを蘇らせるのが、同社が確立した新たな塗装工法「SBアート塗装」だ。ワレや欠けや反りなど、通常の塗装ではカバーできないサイディング基材の劣化を独自の塗装工法でリバイバル。しかもサイディングの凹凸や目地を覆い、外壁をシームレスなコテ仕上げの大壁に一新、別の家のように生まれ変わらせる。加えて中空バルーンの断熱系塗材を用いるので、サイディング基材への熱のダメージも抑制、機能性にも優れた外壁に生まれ変わる。
同社が確立した「SBアート塗装」工法は、サイディングの目地を補強メッシュと下地調整塗材で処理した後、アイカ工業の中空フィラージョリパットで下塗りし、同じく中空フィラーを混錬したジョリパットの主材を2層コテ塗りして仕上げるスペック。
ポイントは、ジョリパットに現場で混錬する中空フィラー(バルーン)とビニロン繊維の「黄金の比率」。劣化したサイディングを塗膜で固め、かつ基材が動いても追従する柔らかさを併せ持ち、クラックが発生しない湿式工法を確立した。
施工は、既存サイディングの凹凸を埋めるように下塗材をしごき、乾燥後にコテで主材を塗布、最後に仕上がり肌を整える上塗りのジョリパットを塗布して完了。全工程で7mmの膜厚を確保するので、サイディングの劣化や凹凸パターンを覆い、左官仕上げの風情ある大壁に一新する。
この「SBアート塗装」、実はアイカ工業の窯業系サイディング外壁のリフォーム工法「ジョリパットリミュール工法」の別バージョンの工法でもある。というのも、同工法の開発者自体が渡邊社長で、アイカ工業のジョリパット施工店会の技術委員を務めていた渡邊社長が同社に提案、共同特許を取得して商品化をした経緯がある。今回、アイカ工業のリミュール工法を省力化・省工程化し、更に実用的な仕様として確立したのが装武の「SBアート塗装」だ。
「アイカさんと商品化に向けて取り組んだ際、さまざまな実験や試験をクリアし、劣化サイディングの再生工法として立証できている。住宅の塗り替え市場が厳しい局面を迎える中、自宅の外壁のリフォームに困っているゾーンに働きかけ、新たな需要を創出したい」と意気込む。